「めちゃくちゃ楽しい」

イマココの思いを、そう答えた誠。そこに躊躇いは一切、なかった。

「本業とプライベートでやっていることのシナジーが上手くいっている。仕事での培ったものや、持てる資産をプライベートにも活かせている。」

それは、彼が目指す世界、そして生き方に、確かに近づいている証である。


最高のシナジーをうめている

誠は今、コワーキングスペースを運営する会社WeWorkで働いている。

WeWorkに入居している企業は、それぞれ”想い”を持っている。提携先を探している企業、本社とは離れ、新しい風を受けたい企業・・そういうそれぞれのニーズを汲み取り、イベントなどを開催して、シナジーを生んでいくのが誠の仕事だ。

ただ、誠が語るシナジーは、仕事だけには収まらない。

仕事での取り組み、プライベートでの取り組み、それぞれが合わさって、シナジーを生んでいるという。

「今までプライベートで開いていたイベントを、 WeWorkで開催したり、逆に仕事で出会った人を、プライベートの活動に呼んだり、良いシナジーができている。」


100%素直に向き合えていたか

そんな誠だが、実は今年に入って転職をしている。転職前は人材サービス会社で、いわゆる人材紹介の営業をしていた。

「前職では、人のやりたいことを応援したかったのがあります。やりたいことをやってほしいし、それはどの年齢のフェーズでもあると思うんです。それを、人と出会うことでメンターになってくれたり、応援してくれたり、知識くれたりとか、そういう人との出会いで一歩前に進める社会になればいいなと考えていました。」

それが、転職という側面でできてはいた。しかし、一方で、モヤモヤした感情もそこにはあった。

”仕事だから”と求人自体の見せ方をよくしたり、求職者もこの人紹介すれば売上が上がるという接点で見ることもあったり、お金をもらっている以上、会社に属している以上、成果も出さなくてはいけない。時には、自分の本意ではないこともやらなくていけない場面もあったという。

「元来、本音じゃない自分で人と向き合うことに心が辛くなる性格なんです。だから、100%素直にできていたかといえば、そうでもないんです。相手の企業を変えるというより、自分がなんとかしなきゃ的な思いでした。本当は相手自身を変えることできればよかったんですけれど、難しいものを難しいと素直に突きつけることができなかった。向こうの期待値に応えられなかった。」

一方で、今は、やりたいことが近い個々同士を、まずは仕事上で繋げることができて、作れる出会いの幅が広がったという。


マンションの住人同士のような柔らかい人間関係。

人材紹介の仕事を、100%素直にできていたかといえばそうでもない、そう答えた誠だが、今の環境との違いの理由はどこにあるのか。

それは決してマインドだけではなく、構造的な理由もあった。

人材紹介では、一般的に、採用決定が出たらお金が出る。クライアントの期待値は、採用に足る人物を紹介してもらうこと。

「営業として企業のクライアントと向き合う。求職者にも売り上げを立てるために向き合う。向こうの人事としたら、言ってしまえば、金払っているからやって当たり前でしょ的な関係性でもあった。」

この人はこの会社で良いのか、自分が本質的にそう思えていない。しかし、お金を貰う以上紹介をしなくてはいけない。しかし、本気がでない、結果がでない、詰められる、という負のスパイラルがあったと言います。

「今は会社としての提供価値のベースは、おしゃれで快適なオフィス空間。その上で、自分達が担当しているイベントは、お客さんの企業から見たら、あくまでアドオンの価値なんです。」

誠が主に担当しているイベント企画は、会社としては絶対やるけれど、企業にとってはプラスアルファに感じる部分もある。人間関係として、契約を結んで事業に貢献、というわけではない。だから、関係性がとても柔らかい、という。

「前職のように、役職を持った人事と営業より、同じマンションの住人という関係が近いです(笑)。その人の本来のやり方とか役職を取っ払い、人としての想いと向き合い関わり合うことができている感覚があります。」

一人の人同士して関わることができている、感謝されることも多い。だから楽しい。そう笑います。


応援したいと思った時に応援できる

話は、プライベート部分に移っていった。

「プライベートの活動はずっと楽しかった」

そう話す誠。

「去年の夏からicoiを始めて、色々な人をこの場所に呼べるようになったり、応援したいと思った人が小さくチャレンジできる環境を用意できた。」

誠が住んでいるシェアハウスicoiでは、定期的にイベントが開催される。

日本料理や豆腐屋の友人との企画、キャリアまで、様々

「俺自身がリスクテイクが苦手で、集客しなきゃとかあまり好きではないんです。だから、icoiを作って、その場所で、イベントを開催できるようになったことで、応援したいと思った時に、応援するというベース部分ができた」

応援したければ、icoiの場所を使ってできる。ここがあるおかげて、何かを始めたい人が、小さく試すことができる。誠自身もそれを応援できる。さらに、出会いの幅も広がったと話します。

プライベートで、icoiで、応援したい人を応援できるように環境を整えた。そして、仕事でも、柔らかい関係性の中で、個々と関わることができるようになった。

それらのピースが揃い、上手く組み合わさるようになったことが、冒頭の、シナジーに繋がるのだろう。


0→1より、0から、0.1や0.2を作るのを応援したい

仕事でも、プライベートでも、一貫して、人との出会いの機会、それらを通して、応援できる仕組みを作ることに取り組み続けている誠。

そんな誠の根源にある想いは、よく聞く、0→1を支援する、とは少し違う。

「0→1を作りたいとよく聞くけれど、まずは、0から0.1や0.2を作りに行くのを支援したいと思っています。1いけば自分で走れるでしょ、と思うんです。その上で、0から1に行くその間で、多くの難しさがある。だから、まずは、0から0.1、2にすること、積み上げて行くことを支援したい」

それを、補助輪的な機能と形容する。

「自転車って、最初こぐのめちゃくちゃ力いるじゃないですか。倒れるの怖いし。でも、補助輪をつけることで、コレいけるじゃんと感覚がつかめる。それと同じように、教えてくれる人が必要だったり、ハード面で場所が必要だったりする。まず、そういう人のために、0.1を作りに行きたい」

真面目な顔でそう笑う。


学校と家の往復だった高校時代から、シドニーでの成功体験へ。

とにかく周りを巻き込んでアクティブに動く、そんなイメージの誠。

昔から、活動的だったと思いきや、高校の頃は、何もせず、学校と家の往復だった、と言います。

「大学ではそれを変えなきゃなと思って、一年に一回は大きなチャレンジをしていました。」

インターンしたり、商店街のゆるキャラを作るプロジェクトをしたり、ビジコンに出たり、色々したけれど、結局やりたいことが見つからなかったと言います。そのまま迎えた就活。

「何をしよう・・・」漠然と考えていた際、グリーンバードというゴミ拾いの活動で出会った人がアドバイスをくれた。

その方は、消防士で、ビジネスを自分でやってもいる人で、誠が尊敬して、憧れていた人でもあった。その人に言われて、誠はシドニーで留学に行く。
その留学先で、現地でローカルな人と会うのが難しいということに気がつく。

日本人がホストでそういうコミュニティはなかなか無かったという。
それならば、と、誠はコミュニティを作ることに。チラシ作って、学校に配り、結果60人ぐらい集まったという。その後も、週一でずっと運営をしていた。

活動を続けていく中で、コミュニティ自体も、そして誠自身にも気持ちの変化が起きて来ます。

「コミュニティの中で、友達ができたり、バイトが見つかったり恋人関係になったり・・良い出会いやきっかけが沢山の生まれたんです。それらが、純粋に、嬉しくて、それが、成功体験となりました。」

当時のコミュニティの写真

‘’たまたま”をどれだけ必然に近づけられるか

成功体験を積んで日本に帰った誠。この良い感情をどう提供したいか、を考えたと言います。

「日本に帰って来て、なんで自分は、良い経験をできたのかを考えたんです。自分は、たまたま消防士の人に会い、たまたま話を聞き、たまたま行った、結果、挑戦して成功体験を得られた。ただ、その”たまたま”は、所詮”たまたま”でしかないなと思ったんです。
その”たまたま”の可能性をどのくらい下げられるのか、必然に変えられるのか。自分が会ったゴミ拾いのリーダーみたいな人に、みんなが会えるようになってほしい。そういう価値を自分で提供したい。まずは、自分自身が、そんな、きっかけを与えられるような人になりたい。」

それはまさしく、きっと、、誠の人生が、そっと、しかし、確かに、動き出した瞬間だ。


自分のエゴで突っ走った分、ついてきてくれた人への感謝に気がつく

icoi、朝活、英語、キャリア系のイベントー様々に活動を企画を行う誠が、大切にしている信念とは、何なのか。

“エゴ”というワードで語ってくれた。

「自己中とかエゴは、一般的によくないものとされているけれど、時には大事だと思うんです。そして、自分のエゴで突っ走った分だけ、ついてきてくれた人への感謝が湧いてくる。」

想いを発信して一緒に走ってくれる。自分に、いいことをしてくれる、その人たちに何か返したい、応えたいと思った、という。自分がエゴを出す分、身の回りの人の感謝に気づく。それは誠自身が一番感じたことでもある。

「一方で、エゴだけを前面に出せば良いという訳でもないことに気がつきました。だから、最近は、明確に顔が想像できて、これをこうしたいという思いが、しっかり浮かぶものしか、やらないようにしています」

こういう思いに至ったのには、ある経緯がある。

誠が人材系の会社に勤める社会人が集まるコミュニティのイベントに参加した時のこと。

それが楽しくて、誠は2回目以降、主催するようになります。気がつけば8回目、何もしなくても80人ぐらい集まるようになった。数としては規模が大きくなってきている。そんな中、最初から来てくれたいた人が、「楽しくない」といったと言います。

「そういうの作りたい訳ではないと気がついたんです。規模を求めたり、自分の承認欲求のために何かをやることは、何か違うなと。全員の価値提供は無理。それならば、この人にとってはこれいいよね、というのを考えたい。それも、抽象度の高い”誰か”ではなく、具体的な”誰か”である必要があると思うんです。」



まずは企画した自分が楽しいかどうか

その上で、具体的な誰かの顔を思い浮かべながら、企画を思いついたら、すぐに動く。起点としては、まずは企画者の自分自身が一ユーザーとして、楽しいかどうか。

「企画はその時は俺らのニーズ。最初の駆け出しは中心が熱量を持ってできることを大切にしている」

例えば、朝活。これは、誠自身が感じていたニーズだという。

「当時、色々なことを色々な人と進めていて、夜の予定が埋まっていたんです。それならば、朝の方がコスパ良いし、時間決まっているしダラダラしなくて良いんじゃないか、それが始まりでした。そして、朝にMTGをしていた際に、これ、色々な他の人呼んでやってもいいかもしれないと話になったんです。」

最悪、誰も集まらなかったら、MTGすれば良い、という思いで、オープンなイベントとして開催したところ、最初、6人集まった。

「色々な個性持った人と会えたのが楽しくて、次もやろうとなったんです。」

その次は8人集まり、その次は12人。そのタイミングでカフェには入らなくなり、このスタイルでは厳しいと気がつく。場所欲しいけれど金はかけたくない、ふらっときて欲しい・・・考えた末出て来たのが、企業のオフィス。

「アクセス良くて、おしゃれな場所ないかなと考えた際に、企業のオフィス、良いなとなったんです。朝は使っていないし、人呼べたらブランディング的にも良のではないか。」

Facebookで投稿したところ、WANTEDLYの先輩から返事があり、開催にいたる。その会も、44人ぐらい集まり、その時に色々な繋がりが生まれた。

「企画を、めっや練り込むより、まずは、自分達が、やりたいからやる。作って形になった段階で、どうしたらきてくれる人のためになるかを考える。自分たちがまずはユーザー視点で、俺らがまずは面白いかを優先しています。」

先日開催された、朝活の様子

学校を作りたい

誠には、直近で、ある「野望」がある。

「学校を作りたいんです。」

その経緯を語ってくれた。

「朝活、英語、icoi・・・それぞれの活動で、シナジーを持てるようにしたい。英語とか、日本食とか、朝活とか、今それぞれ具体的な企画になっているものを統合するためには、抽象度の高い概念、コンセプトを用いて、まとめる必要がある。それが何になるのかを考えた結果、学校なんじゃないか、と思ったんです。」

Facebookで、誠自身が投稿した、学校の構想。

ただ、それはただの思いつきなんかではない。そこには、いくつかの込められた意味がある。

「年齢が幾つになっても、新しいことを始めるハードルを下げたい。それは、学校に入って、新しいことを一緒に学んでいくそんなイメージです」

また、学校の”授業”という観点でも意味がある。

「例えば、一授業が日本酒、英語、キャリアでも違和感はないと思うんです。自分の興味関心とか、向かっていくことに合わせて、授業やコミュニティを取捨選択できる。それらを、学校だと、良い意味で入り口は受け身で入れられる。何より、みんなが想起しやすいじゃないか」

そして、話はより大きな文脈にも繋がってくる。

「大きなことだと、社会人の教育はめちゃめちゃ重要になってきている。不安定とか、VUCAとか色々言われている時代に、自分の興味関心に合わせて学ぶのは大切だと思うんです。ただ、いきなり語学学校などはハードル高いと思うんです。だから、まずは0.1を積み上げて欲しい」

ここでも、0.1を積み上げる、誠の信念が現れる。

そして、最後に語ってくれたのが、生徒だけではなく、先生側の視点だ。

「先生になってもらう予定の人も、プロセスの人が多い。先生という概念を提供して、その人たちがやっていくことを広める機会にもしたい。」

様々なプロセスの人が、それぞれの活動を元にイベントを立て集まってくる。そんなイベントを多く開催していた誠らしさが溢れている。

今まで誠がしてきた活動や、根底の想い、そして仲間達が、学校という一つのコンセプトに合わさっていく。

出来上がった学校は、多分誰もが見たことない、だけれど、誰もが行きたい、楽しそうと思えるものになっているはずだ。


(最後に、誠の活動などを紹介)

✳︎誠のオススメの本

本を読んで、すぐに、仕事やプライベートでアウトプットするそうだ。

その他にもicoiには本が沢山

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こんな良い朝あるか


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