「ソワソワしている」

今の気持ちを尋ねた時、開口一番、そう答えた、佐伯雅子さん(まこし)。

「やりたいことがあるんだけど、チャンスが来た時に逃さず掴めるかな?って」

明るくて、ワクワクしながら、やりたいことを突き進む、そんないつもの像とは少し異なる印象を感じた。そんなまこしが、イマココで、感じていることとは何なのでしょうか。

自分について考えるのは、就活に限らず大事

高校時代はミュージカル部で男役を演じていたりしていたそう。

そんなまこしが今携わっている仕事は、人材紹介の営業。中途採用をしたい企業と日々向き合っている。

まこしはなぜ人材業界に身を置いたのか。

大学時代は法学部に在籍し、もともとは弁護士を目指していた。

資格の勉強をしていた時に、これが本当に自分のやりたいことなのか、と悩み始める。そして、就活をしようと思い立った。

「自分を知るって難しい。。」

人と話していく中で、伝えることや、相手に影響を与えることが好きなのではないか、と徐々に思うようになる。伝えること、広く深く影響を与えることを軸に、報道業界や教育団体に関わる中で、感じたこと。それは、媒体を通してではなく、直接人に何かを伝えたい、ということ。

「自分を知るって難しい。だからこそ、ちょっとずつ見えてくるとワクワクする。自分について考える習慣をつけること、それは就活に限らず大事なことのはず」

まこしが就活の時に感じたことは、いつしか、まこしが伝えたいことになっていったのです。

教育団体で活動していたまこし。千葉県の高校前にて。

余白をつくって、自分の枠を広げていく

自分を知るために最近意識していることが、余白を作ることだと言います。

そう考えるに至ったのは、機会があり受講した対話型鑑賞ゼミがきっかけのよう。

「対話型鑑賞ゼミとは、大まかにいうと、美術作品(事実)を見たときの感想(解釈)は人それぞれであることを知って、解釈が異なる人とのコミュニケーションのポイントを探っていくというもの。
その中で、ある美術作品を、『自由に解釈する余地を残そうとする作者の意図があるのかもしれない』と解釈した方がいて、解釈を他者に委ねる、余白をのこすのもまた趣きがあるなと思った」


余白を残して、他者の視点を取り入れることで、新しい自分の一面を知ったり、自分の枠が広がっていく感じがするとまこしは言います。

(このことについて、まこし自身が書いた記事がこちら


伝えたいなら、まずは聴く

自分を知るだけでなく、相手を知ることも大切で、それはコミュニケーションのあり方に通じてくるとのこと。
お互い言いたいように言い合っても、相手に真意は伝わりません。

「他人と自分は違う。話を聴いて相手を理解して、相手に合わせて話さないと、自分の言いたい事は伝わらない」

表面ではなく、相手の奥深くまで知ろうとすることが大切なのだと。
自分、そして相手について考える習慣を広めていきたいと言います。

Will・Can・Mustの掛け合わせって何だろう

まこしをよく知る人なら、自分や相手について考える習慣を広めたい、その思い(Will)が強いように見えているかもしれない。

ただ、今は特に、自分には何ができるのか(Can)、何が求められているのか(Must)、Will・Can・Mustをどう掛け合わせたらよいのか、模索していると言います。

「自分や相手について考える習慣を広げることって、そもそも求められているのかな?会社で求められていることと、自分のWill・Canをどうつなげたらいいのかな?って」

それがソワソワしている理由だ、と話す。会社で求められていることと、自分のWill・Canを接続させること、それは決して簡単なことではないはず。

「やりたいことばかりに目を向けるのではなく、しなやかさを持った方が、自分の枠が広がると思う。一方で、自分の好きなことを突き詰めた先に、自分らしい尖が見えてくるとも思う。」

何が求められているのかを考え、やりたいことと重なる部分を探しにいく。それでも大切な自分らしい部分は見失わない、人が人生を考える時に避けられない、Will・Can・Must。それを、まこしはそのように自分の中で考えている。


仕事の立ち位置とは

常に思考を続けているように見えるまこし。
まこしにとって、仕事って、人生の中でどのような立ち位置なのか、ふと疑問に思って聞いてみました。

「人生には、仕事があって、それ以外のこともある。仕事で考えたことや感じたことが、それ以外にも生きて、逆に日々感じていることが、仕事にも生きていく、そうやって影響し合っていくのが理想的」

一方で、完全に重なると、しんどくなってしまう、とも言います。

実際、社会人になり数ヶ月が経った頃、仕事でかなりメンタルがズタボロだった時期があったようです。

「自分はできるやつだ”と心のどこかで思っていて、その理想と”何もできない自分”という現実のギャップが受け止められず、”このままでは先輩方から見放されてしまうのではないか”と思い込み、自分で自分を苦しめていた」


会社の人にはあまり相談できない、そんなボロボロのメンタルで主催した社外の取り組みとしてのキャンプ。

そのキャンプ時に、出会った人やその人たちが掛けてくれた言葉が、まこしの肯定感を再び取り戻させてくれたと言います。

キャンプの様子。まこしは、WOLSAMというコミュニティを社外で作り活動している。


「仕事とそれ以外が完全には重ならない、でも重なりあってはいること。」

適切な距離感と、複数の場を持つこと。
でもそれらが重なり合っていること。
それが、まこしが仕事の外で、コミュニティを作り続ける理由なのかもしれない。


これからしたいこと

普段から、考え行動しているまこしが、改めて、今したいこと、力を入れたいこと、は何なのでしょう。

僕が質問すると、少し悩んだ末に
「呼吸をするように、インプットとアウトプットをすること」と答えてくれました。

小学生の頃は小説を中心に本をよく読んでいたそうですが、中学に上がってからは距離があったそう。そして、最近人の勧めでまた本を読むようになってきたとのこと。

最近読んだ本の中で印象に残ったのは『消滅世界』という本。

人工授精で子供を産み、夫婦間のセックスは近親相姦とタブー視される世界。「セックス」も「家族」も消えていく。”当たり前”が変わっていく事で、消えたことにすら気がつかなくなってしまうこと。疑問すら持たなくなってしまいかねないこと、それが怖いと感じたと言います。

時事ニュースを見たりして幅広く情報に触れることが苦手、と話すまこし。でも、変わりたい。自分が関わっている分野を中心に様々なことを取り入れて広げていきたい、とも話す。

それも、もしかしたら、余白や枠を広げる話に通ずるのかもしれない。

また、最近はアウトプットも意識していて、印象に残った勉強会やセミナーは積極的に記事を書いて発信しているよう。

(まこしがアウトプットとして綴っているnoteはこちら

「自分が発信することで、コメントを貰えたりするのが嬉しい。嬉しいし、この人これに興味があるんだなって分かるのも楽しい。それ見ながら、次このイベントする時にこの人誘おうかなって考えたりしています。」


まこしが、少し先の未来に考えていることは、人材開発分野に関わること。

そのために、今何が準備できるのか、考えている際中。時には苦手なことにも向き合いながら、今できることを考えて行動していく姿は、考えている未来に。確かに繋がっている。


*話を聞いて


自分と相手は違う、理解するのは簡単に見えても、どこか私達は自分の常識や尺度を、意図せずに相手にも当てはめようとしてしまうこともあります。

最近まこしは、積極的に社内の様々な部署の人に話しに行くことをしているよう。

「昔だったら、自分は得られるものがあるけれど、相手はないかもしれない」とためらったこともあったそうなのですが、断られる時は断られる、それは相手が判断すること、と考えて、積極的に声を掛けているようです。

また、様々な勉強会にも出たり、そこで会う人にも話しかけたり。

勉強会は、そのテーマに興味ある人が集まっているので、話すと色々学びがあったりすることが多いそう。

変わらない大切な芯も持ちつつ、余白を持ち、枠を広げていく。しなやかさ、という武器を手にしようとしているまこしの目は少し先の未来を確かに見ていました。